密入国手助けマフィアの活動

1994年10月26日、観光会社を営むクムス シャマンがバングラディシュの知り合いの一人を連れてギャングの暴行と略奪をCSD(Crime Suppression Division犯罪鎮圧課)に告訴するため現れた。
クムスの申し立ては以下のようだった。10月22日の朝、2人の男がニューロードに在る彼の会社エクスプレストラベルへ押し入って来た。2人は会社のオーナのアミン モハメッド シャイフら全員を暴行後、道路へ引きずり出し隣の観光ツア会社セブンスターへ入って行った。「会社の中で、彼らはスタッフを殴り、22,500バーツ(約10万円)を強奪した。」とクムスは申し立てた。クムスはギャングの顔と住所をを以前から知っていた。すぐCSDの警察官はアクバシャと言うパキスタン人がオーナをしているセブンスターへ直行した。そのとき、警察は訴えのパキスタン人を全て逮捕出来ず何人かを取り逃がしてしまった。
逮捕出来たのは4人のパキスタン人、ムムツヅ アリ 36歳、モハメッド マデム アリ 25歳、シャファグ アゥメッド カン 30歳、アカタ フサイン 22歳である。警察のレポートではアクバシャが残りの6人のパキスタン人を逃亡させてしまったと言うことである。
逮捕された者は暴行と強奪で告発された。また、逃亡者を捕らえるための追跡がなされた。
6ヶ月後、CSDは逃亡者の依然行方がわからず、捕らえるのは出来ないかもしれないと発表した。まるで追跡調査は見せかけのようだった。
4人の容疑者はすでに調査中に保釈され失踪していたし、タイでは観光ビザを持つギャングは簡単に海外へ逃亡できるのだ。

・組織化される犯罪

違法な外国のやくざの事件は、観光客やビジネスマンとしてタイに入り込み限りがない。彼らは国際的な強いコネクション持って組織化されているため、犯罪を高い確率でやって成し遂げてしまう。
1994年にアクバシャがクムスを誘拐したとき、彼の意図は暴行と金の強奪だけではなかった。クムスが負っていた偽パスポートの借金500万バーツを解決することだった。クムスとアクバシャの会社は共に、表向きは観光会社だったが密航の基地だったのだ。
我々の調査で彼らの会社はパキスタン人やバングラディシュ人を第三国へ送り込んでいることがわかった。外国へ出て行きたい者が、アクバシャの会社を紹介されて個人的客となって訪れていた。そして彼らはアクバシャとクムスが管理するパスポート偽造ギャングによって用意された偽造パスポートを持ってタイから出国していたのだ。
他の情報でクムスがアクバシャに払うはずの借金の500万バーツの偽書類と仲介料の詳細がわかった。クムスが期日に払えなかったので、アクバシャは暴力に訴えたのだった。アクバシャはクスムから22、500バーツを奪い取ったとき、身近なギャングにこんな少ない金では子分に暴力を振るわせた時間給にしかならないと言ったという。
クムスは自分もアンダーグラウンドの人間だったが、彼のライバルを蹴り落とすいい機会だと信じ、自分の考えを実行したのだった。買収した警官の個人的な協力を得て申し立ては行われていた。
汚職警官はクムスの自白通りにクムスのライバルに対し法律にしたがってに行動した。
しかし、水面下の調査によりアクバシャも同様だが、ギャングと警官とのつながりが明確に成っていった。

・ ネットワーク

「タイはインドの亜大陸(バングラディシュ、インド、パキスタンなど)の人たちが最終的に第三国に行くための密航の基地になっている。」とツーリストポリスのチャイナロング チャロエンチャイナオ警察少将は言う。インド人、バングラディシュ人、パキスタン人、スリランカ人やネパール人がタイを通して第三国へ行くようだ。
昔、密航は中国人が多かったが、今は亜大陸からの人間がほとんどである。これは今タイ警察のもっとも頭の痛い問題の1つとなっていると別の警察の情報元は言っている。
信頼できる情報によると、密航者の理想の目的地はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、韓国、日本そして中近東である。そして何か理由で、タイの外へ出られなかった外国人はタイで労働許可のない非合法な労働移民になったり、犯罪者になってしまうと、情報元の人は言う。
今、たくさんのパキスタン人、バングラディシュ人、パキスタン人のマフィアがタイで活動している。

・手続き

少なくとも2つのギャンググループが密航の仕事をしていた。クムスをヘッドとするバングラディシュとスリランカ人を扱うグループとアクバシャのパキスタン人を扱うグループである。彼らはバンコクを密航基地としてパキスタン人、スリランカ人、バングラディシュ人を彼らの希望する第三国へ行けるよう仲介するギャングのメンバーだったのだ。
第1の段階として、自国から第三国へ行けない、また自国でビザを取る時間がかかり過ぎる理由から密入国希望者がバンコクへ旅行して来る。タイが選ばれる理由は、タイ以外に偽の書類を作り安く、簡単に入り込める国を自分では見つけることが出来ないためである。
この段階で、彼らが法に触れるものは何もない。バンコクへの旅行はギャングの表看板の旅行会社が合法的にアレンジしてくれる。バンコク到着後、2、3週間は偽造ビザ取得のため待たされる。彼らにはそれまでの寝泊まり場所としてディンデン、バンラック、パフラットやミンブリ辺りの安ホテルが用意される。これらの地区のゲストハウスやホテルに滞在する亜大陸の人間の多くが偽造ビザを待っている者だと推定したとしても決して大袈裟でないと警察のある所は言う。
ギャングたちは客の希望通りになることを請け負うため、偽書類の作成、泥棒、強盗などの関係する犯罪活動を行う。同じ情報源は、ギャングたちは警察や内務省に買収した役人との強いコネクションを持っていると言う。別の情報源は腐敗したCSD,イミグレーションや軍隊の将校についても言及している。

・タイ入国の書類作り

にせの旅行書類は普通アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本、韓国及び中近東に対するものである。
何故タイに入るとき本物の自分のパスポートを持った人たちが、次の第三国への旅行のため偽造パスポートを要求するのだろうか?警察の調査で以下のことがわかった。
ギャングは次の客のためにビザ付きの本物のパスポートを保管してしまう。それは更にパスポートを持たない将来の客のため使われるのである。調査官は言う「これは彼らのパスポートが最初は本国当局から発行されていて、タイ大使館からも本物のビザを与えられている合法的パスポートだと言うことを意味します。」
そして、それは次の者の写真に張り替えられ、そのオリジナルビザは2回以上使用される。
ギャングたちはタイ入国のため偽のパスポートや偽の発給ビザは作らない。その本当の理由は、彼らの中に偽造の仕事のできるプロフェッショナルがいないからだが、簡単に本物のパスポートが手に入れられるため、作る必要がないのである。タイ大使館へビザ申込へ行く煩わしさがないため、この容易な手順がいつも行われている。
ここタイは旅行のための偽の書類を作ることがすべて可能な、便利なところのようだ。「それで第三国へ行くため外国人がバンコクへやって来るのだ。」と情報源の人は言う。

・偽造と犯罪

偽造パスポートの供給は合法的な手続きをなされたオリジナルのパスポートとビザを得て行われている。
お金の欲しい者がギャングに目的地へ旅行出来る彼らの書類を売るのである。書類の値段は2万バーツから10万バーツ、目的地のビザによって決まる。客が目的地に着くと、その書類は再び次の客が使うために、バンコクへ持ち帰られてしまう。ビザの使用期限が切れる前に2回目の旅行が行われる。変更点はエントリと出国スタンプのような最小のものである。
この事件の調査では更にギャングの一味が何も関係のないある旅行者からバンコクの通りや田舎で書類を盗んでいることもわかった。価値のあるビザはアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、日本、韓国そして中近東である。警察の情報は、旅行書類の盗難の統計を取ると、低い予算で旅行している人たちの数字が高かったと言う。「旅行書類を盗まれたと言う警察の届け出は安いゲストハウスなどに泊る低所得の旅行者が多い。」

・値段

旅行パッケージが完全に用意されるた後、客の各々は約6000USドルを払う。それには航空券やバンコクでかかった経費は含まれない。そのような高い旅行コストにもかかわらず、毎月約3000人の非合法の外国人旅行者がバンコクを第三国へ向けて飛び立っていると思われる。
ギャングたちは月に4億5000万バーツ、年間54億バーツもの金を受け取ることができる。タイの入国管理局ではバンコクに5万人の不法滞在者が居ると見ている。取り分は大きい。これが警察がこの組織的犯罪の排除仕切れない1つの理由ではないだろうか。