日本脱出のすすめ2(中小企業)

2年前1ドル100円を割り込んだ円高も今、120円を突破した。「必要以上のドル高は好ましくない。」とG7で発表があったにもかかわらずいっこうに治まりそうにない。あるアメリカの経済学者のこの円安で日本の輸出が増え、規制緩和をやらなくなるのではないかとの懸念が、ある雑誌に載っていた。彼が言うのは円安で日本の景気が良くなると言うことか。
しかし今の日本を見ると不良債権を抱えた銀行がドル高(円安)に伴ない上がらない株価に喘いでいる。そして政府に対して信用金庫以外の銀行が潰れても公的資金を出すようにある機関から嘆願書が出された。これは何時かいくつかの銀行が潰れる可能性があると言うことであろう。円高で輸出が増えたとして、潰れる可能性のある銀行を幾つも持つ国の経済が良くなるなんてあるのだろうか?(今の金融機関の状態はバブル崩壊前とは違う。)
大企業の海外進出
5年ほど前から始まった円高で製造業は安い労働力を求め、海外へ製造移転を始めた。そして今、日本の電化製品は海外からの輸入が国内の製造台数超えている(もちろんメーカは日本企業)。
また、自動車も円安に転じたが輸出台数は逆に減り続けている。
これは今の円の水準ではまだ海外での生産コストが安いせいもあるが、東南アジアが生産拠点としてばかりでなく、大きな海外マーケットに成長してきたせいもある。
輸出するより現地で生産し売る方が現地との経済摩擦は少なくなる。そして、海外から日本を含め他の国へ輸出した方が貿易摩擦も現象するからだ。例えばタイからの日本車の輸出はタイ国の輸出額が増えることになるのだから、日本とその輸出国(例えばアメリカ)との貿易不均衡の問題にはならない。
今はアメリカ、カナダそしてメキシコの経済圏、ヨーロッパECの経済圏そして東南アジアASEANの経済圏など日本が加入していない経済圏が存在している。それはいつか貿易のブロックになる可能性がある。各国は自由貿易を守ろうと言っているが完全な自由貿易の国は世界中どこにもない。日本など米の輸入規制はその最たるものの1つだ。
そしてこの経済圏が自分たちの経済を守るため、強い保護貿易を始めたとしたら、日本だけで生産している輸出依存企業は死に絶えてしまうだろう。
大企業はマーケットを拡大するためどんどん海外に出ていっている。
中小企業のチャンス
大企業の海外移転はその部品などを収める中小企業の海外マーケットも広がることを意味する。大企業に対し、部品を納入していた中小企業にとってチャンスではないだろうか。そして、大企業の海外への生産移転に伴ない日本の生産マーケットは縮小している。日本で今のマーケットに現状のまま変らずに存在し続けるのは困難だろう。
技術力やノウハウを持つ中小企業にとっても海外への進出は大きな未来につながる。日本国内の市場はほとんどが大手企業または大手流通業者に独占され閉鎖されている。技術力やノウハウよりコネクションや談合が幅をきかす世界なのだ。
海外にももちろん賄賂などのその手の障害(特に発展途上国)があることは認めるが、伸びていけるチャンスは日本より大きい。東芝を退社してアメリカで会社を起こしたCCDカメラが良い例だろう。この会社はアメリカで新製品を開発しアメリカ市場を開拓した。日本であれば市場に入れなかったかもしれない。そしてアメリカだから注目されたのだ。
躊躇するときではない。中小企業も海外へマーケットを求めて進出するときは来ているのだ。

タイの汚職と日本の汚職(第1回 1996.10.15)

日本の戦争被害者意識(第2回 1996.11.19)

日本の求められるもの(第3回 1996.12.19)

日本脱出のすすめ1(個人)(第4回 1997.1.12)


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