日本の娯楽テレビ

年末にタイの友人の所に小学生の姪っ子から電話があった。「タイ人は靴ずれを予防するため革靴かかとを噛むの?」と突然質問された。

日本テレビの年末にあった「...さんの食卓」と言う放送の中で紹介されていたと言うことだ。教育熱心なお母さんが疑問があったら調べるようにと娘に電話をタイまでかけさせたらしい。

たまたま側にいたタイに十年以上住む他の仲間たちもこの話には驚き憤慨した。

タイ語で靴づれを”ロングタオ.カット”と言う。直訳は「靴が噛む」と言う意味だ。靴を噛むと言う意味では無い。タイ人の間では「ロングタオ.カット(靴ずれしちゃった)」と言うと「おまえ、靴噛むのか?]と冗談で言うことはあるらしい。

察するに「靴づれ」と言うタイ語を聞いた日本テレビの製作者が勝手に話を作りあげたのだろう。

ご丁寧にその番組ではわざわざ歩いているタイ人を呼び止めて靴を調べたと言うことだ。そしてちゃんと歯形があることを確認したらしい。

姪っ子に嘘だと言い聞かせたがしばらく信じなかったと友人は言っていた。ここまで徹底した”やらせ”では大人でも信じるだろう。

今年の正月は日本の帰ったがそのときテレビ番組で気になることがある。お笑いの特版で若いタレントや製作者を落とし入れて笑いにしているのだ。例えば彼らは日本語しか出来ない。そのような人を海外で置き去りしたりするのだ。

そのパニックになった顔を隠しカメラで取って笑いにしている。これはイジメて喜ぶ笑いではないかと疑問に思う。

以前タレントは笑いを自分を面白く見せることで取っていた。自分が自分の意志でバカになっていた。そこには芸も生まれ、落語など文化にもつながった。しかし今他人(プロデューサ)がパニックの状態にタレントを落とし入れて笑いを取っている。

彼らは落とし入れられた相手の気持ちを考えたことがあるのだろうか。また嘘の放送により相手の心を傷つけることを考えたことがあるのだろうか。

放送の社会に与える影響は大きい。特に若い視聴者に悪い影響を与えはしないだろうか。「面白ければ相手はどうでも良い」と言う考え方を植え付けないだろうか。

日本は相手のことを先に考える”気配りの社会”だった。それが社会秩序を保つひとつの要因だった。しかしこのような放送は視聴者に利己的な心を植え付けはしないだろうか。

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