タイの田舎から

以前友人から面白い話を聞いた。友人はバンコク郊外に工場があるため良く工場のある田舎へ出かける。そこで働くタイ人たちがいるがそのうちの1人の男性の話だった。

彼は余り工場へ働きに来ない。1週間に2〜3度だそうだ。お金が無くなったら来るようだと友人は言う。日雇いだから来たとき働いてくれれば構わないらしい。

ある日友人が車で田舎を走っているときその男が土手にいるのを見た。友人はその男のやっていることにビックリした。友人曰く「彼は草をむしって食べていた。」

友人は工場で働くタイ人たちにその話をした。タイ人は笑いながら彼は草ではなくちゃんと食べられる野菜(?)を取って食べているのだと言った。

昔日本でも野道に”つくし”や”ぜんまい”など食べられる野草が生っていたが、そう言う食べられる類のものだと言うことらしい。

友人の話では工場にはいろいろな食べられる植物があると言う。友人には識別できないがタイ人たちはこの花は”お浸し”にして食べるとおいしいとか教えてくれるそうだ。もちろんバナナやパパイヤもあると言う。種を植えたら勝手に生えてくると言うことだった。

このタイの男性は近くの川で魚を取ったり、食べられる野草を採取したり余り食生活に困っていないようだがお米だけはお金がなければ手に入らないらしい。それは彼に限ったことではない。工場に働きにくる日雇い農夫も同じだ。

その農夫が言った。「私たちはお米を作りますがそれを食べることは出来ないんですよ。全て売りものなんです。ですからお金で買うしか無いのです。
でも以前我々が買っていた一番安いお米は無くなってしまいました。それはバンコクでは人気が無く、まして外国へは売れませんから。」

数年前、米の自由化が問題になったとき「日本の文化は農業を基本として発達してきた。それをを守るためにも日本農業は守る必要がある。」と米の自由化に反対する作家がいた。

貿易の自由化は売れるものを作る、競争に勝つものを作ることにつながっている。すでにタイでは売れるものを作るためすでに社会生活が変化し始めている。それはきっとタイ人の考え方に影響を与え、文化も変えて行くだろう。それは良いことなのだろうか。

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