日本の戦争被害者意識

2年近く前、ちょうど8月の広島原爆記念日の後ある大手新聞の読者意見欄にあるタイ人の投稿記事が載った。「何故、日本は原爆を落とされたことは声を上げて非難するが、慰安婦問題は口を閉ざし何もしないのか。」と言う内容のものだった。そのころ、私はこう考えていた。「いくら戦争でも何万人もの市民の命を奪って良いはずがない。慰安婦問題については日本は戦後補償をしたはずだ。何もわかっていない。」と..。
しかし、タイに住んでいるせいか、日本がアジアでやって来たことの情報がより多く入って来る。日本軍は中国の南京大虐殺、シンガポールでも、韓国でも多くの民間人を殺している。タイでも...。
ある人がお母さんから聞いた話として話してくれた。日本人が村に来て若者を何人か連れていったそうである。彼らは2度と帰ってこなかった。日本人が村に来ると恐かったそうだ。
日本人は戦争に対し、加害者意識はあるのか?戦争を起こしたことの責任は感じているのか?
1995年6月、村山内閣のとき「戦後50年国会決議」が採択された。このとき、決議文に対する世界の批評は厳しかった。とくにアジアでの評判はたいへん悪かった。何故か?この決議文を見る限り、アジアへの侵略戦争を侵略とは認めていないと受け取れるからだ。
問題の個所は「過去の戦争についての歴史観の相違を超え、....。」である。これは日本人としては、アジアの国々と考え方が違うが...ということ暗にを示している。これを読んだ特に中国、韓国の人たちが失望するのはあたりまえであろう。
当然のことながら世界の国々は日本のアジア進出は侵略であると認識している。実際、ペナンの博物館には戦時中の日本軍の資料が置かれているから見てみればよい。日本が大東亜帝国を作るため強制的に国のことばを日本語に変えようとしたのが解る。日本がアジアの国々を植民地から解放するために戦争を起こしたのであれば、マレーシアの人々に何故日本語を強制して学ばせたのか。
そして、アジアの国々を植民地から解放するための戦争だったならば、日本が敗れて悲しんだ国があっても良いはずだがあっただろうか。
アジアが求めたのは侵略戦争への反省であった。日本は戦後補償を行ったが、(中国は免除してくれた)反省のない補償では、アジアの国々は「日本が2度と侵略戦争をしない」と言っても信じてくれないのではないだろうか。
日本は原爆を落とされ、多くの民間人を亡くした。また、多くの戦死者も出した。だが、連合軍には勝てず降参した。そしてアメリカに数年間占領された。そのことで戦争に対し強い被害者意識を持ち、加害者意識が少ないのは考えるべきところがあるのではないだろうか。

タイの汚職と日本の汚職(第1回)


Home

ご意見ご感想はこちら