タイの教科書問題

毎日のように爆弾テロがある南部タイではタイ独立分離派を抑えるべくいろいろな政策が取られています。これは今までの仏教寄りの教科書をイスラム寄りに変えて同じタイ国民であることを自覚させる試みです。

5月から新学期が始まる。モスリムが多く住むヤラ、パッタニー、ナラティワート県の学生たちに地元文化の独自性を考慮した新しい教科書が用意された。初歩はヤウィ語(地元語)の訳語が付いている。

この教科書はタイ語を学ぶ幼稚園から小学校3年生の子供たちに用意されている。2冊は幼稚園児用でタイ語のアルファベットを覚えるさせるもの、6冊は小学校低学年用でタイ語構文を学びタイ語の読書力を高めるものだ。

この本の特徴は南タイのモスリム社会で使われているヤウィ語という方言も含んでいることだ。本の中で使っている生活や服装のイラストはモスリム文化を配慮して描かれている。例えば1人の子供がイスラム経典コーランを読んでいるイラストなどがある。

この本では文化的にデリケート問題にもアプローチしている。ナショナリズムの概念も組み入れているのだ。国家、平和そして仏教とモスリム。子供たちの間に強い絆を作ろうと試みている。この本には南タイ3県に平和が訪れる工夫がされているのだ。

文部大臣は高学年になる前に若い子供たちにこれらの価値感を普及したいと言っている。またタイ語を知らない生徒の親たちもこの教科書でタイ語を学ぶことが可能だろう。

このテキストは30人の専門家によって編集された。ほとんどが南タイのモスリム教師だと言う。また30人の中にはチュラロンコーン大学のモスリムの言語の専門家や地方語の専門家が含まれた。

「本のコンテンツや表現法には現地の人にイヤな感じを与えないように細心の注意をして、編集しました。」1978年に使われた本には「犬のモム」と言う物語が使われていたがイスラム教徒たちは犬が嫌いで子供たちにこの物語を読ませるのを拒否していたと言う。

今まで教科書は政府がバンコク中央で作成し、地方の文化や方言や習慣を考慮して作られたことは無かった。結果として地元生活とかけ離れた内容が南タイの子供たちの学習の妨げになっていたのだ。文部省は次のように言っている。「昔の教科書は全くヤウィ語を含まなかった。そして方言を知らない中央から来た教師がモスリムの子供たちに教育するのは問題であったし、逆にタイ語が余り上手くない地元モスリム教師たちがタイ語教科書を教えるのも無理があった。」

南部タイの教育に今まで政府が真剣に介入したことはなかったようです。タイ語が真剣に教えられることがなかったから南タイの子供たちに取ってタイ語は外国語のようだったのかも知れません。また教育内容は国語、算数、理科、社会と言う内容より宗教の教えが多かったようです。
南タイでは 英語を学んで欧米に留学するよりアラブ語を学んで中東アジアへ留学することが1つの夢だったようです。


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