タイの政治混迷は文化で分かる

あるオーストラリア大学の教授が記載した記事です。タイ政治が混迷している理由を書いてます。

タイ政治は深刻な悪循環に陥っている。この記事は文化的側面から見て、西欧人が理解しがたい最近の政治事情をやさしく解説したものである。

タイの内外の外国人はこのタイの政治混乱を見てどうして国が2分し、お互いが激しく争うことになったのだろうと不思議に思っているだろう。タイはのんびりした観光国だった。しかしあっと言うまに危険な国になってしまった。 休息を提供する観光地がもはや飛行機スケジュールも守れない、各国から退避勧告をだされる国なってしまった。タイはどうして世界有数の観光地から大きく離脱してしまったのか。

2006年9月、タクシン前首相の汚職疑惑で軍のクーデターが起こった。そのとき以来多くのことが起こっている。総選挙の結果、タクシン首相の傀儡と言われる国民のチカラ党(PPP)が政権を取った。するとすぐにPAD(市民連合)が政府反 対運動を始めた。そして始めの首相となったサマック氏は料理番組に出演し続けたとして離職させられ、タクシン氏の義理の兄弟がPPP党首を引き継ぎ首相となった。するとPADは更に激しく反政府のデモを展開していった。

タクシン氏は有罪の判決を受けたが、11月第3週にタイで政治活動をすると発表した。そしてついにPADはバンコク国際空港を占拠する行動に出た。

最近のタイの政治的出来事の中で分からないことが多い。しかしタイ人独自の文化への価値を見ることで、タイを理解する面白い筋道が与えられるかもしれない。 なぜなら文化研究グループは行動を起こす決断が国や民族単位ごとに違っていると言っている。

タイ人は権威主義者で上から支持で決断する。しかしながら欧米では平等主義ですべての意見を出し合い決断すると言う。

我々は決断方法を文化の違う単位で分けることができる。文化が違うグループは決断するときには独自の感情、理性、霊感の価値に従って行っている。それぞれの価値観は独自の原則に基づいている。そしてそれが違った動機となって行動に現れて来る。この価値を見ることで現在のような政治状況に弱い文化を持つタイが見えてくるのではないだろうか。

・感情を重要視する

感情的価値はプラスだと我々の感情を良くしてくれる生活の中で重要な価値観だ。それは愛情によって純粋に説明されている。我々の行動はそれに影響されることを好んでいる。なぜなら感情的価値観が我々の感情に何をしたいと要求してくるからだ。普通の行動として言えば気の合う友人と一緒にいたいとか、面白いTVを見つづけたいとか、良い気分で夜を迎えたいからタクシー運転手との口論をやめようとか言ったものも含む。

タイの文化においてこの感情的価値観の割合は非常に高いものと言える。彼らは常にみんなで楽しく過ごしていたいと強く望んでいる。彼らがどこにいるか、仕事場だろうと問題にはしない。そして彼らは衝突を起こしやすい性格の人間、つまり不愉快な人間を避けようとする傾向がある。タイ人は普通、意識的に自分が快い感情を保つよう動いている。

タイ人の感情に優先権を置くと言う特徴はタイ社会に現れている。タイは外国人の心の中で特別な場所として思われている。タイはサヌックを強調する。つまり楽しく過ごしたと言うことだ。それはタイを訪れた観光客をたびたびうらやましがらせる文化的側面だ。観光客は頭より感情に従って行動させてしまうのだ。逆に西欧文化は行動を決断するとき理性的価値に重点を置いている。

・ストレートな思考

理性的決断を行うには十分な思考がいる。そして客観的解析の元で決断が下される。それらは良い結果を得るには?と考えられる。多数決を重視して、結果と合意させ、それに基づく価値好む考え方だ。西欧社会は最終結果を重視している。高い価値はこの社会で一番好まれている考えに近いものと一致する。AがBにしたがうならば結果はCだ。単純かつ予測できる。西欧社会は人々の生活のいろいろな側面を規制している。多くの人々はその規則に従う。そうすれば彼ら行動が管理しやすい洗練された社会になると知っているからだ。

結果重視の決断をする西欧社会に取ってタイの決断方法を理解するのは難しいかもしれない。西欧人はデモをしているタイ人質問する。あなた方は国を財政上破壊するよう公約した政府と言っているが何故にそんな政府を選び出したのか?有罪判決が妥当か否かは別にして、あなた方が疑わしい人格を持つ政治家と言う人を献身的に愛している人々が何故に多く居るのか?そうして何故観光産業に打撃を与えると分かっていて国際空港を閉鎖したのか?

タイ人の今回の行動は最良の結果を求めないむしろ社会にダメージを与える。西欧人たちの価値観とは矛盾するものだ。

明らかにタイ人は西欧人とは違った考えパターン、コンセンサスの一致を重んずる価値観で行動している。このコンセンサスの一致した価値観とは彼らは友人たち、共同体と共有できる考えである。この共同体がどこの政党がうさん臭いという文化的原動力に導びかれ、彼らの政党またはグループを特別化して他と区分し始める。実際に同じタイに忠誠を尽くす国民が分極化してPADとUDDを生み出した。

タイ人は共同意識を強くするばかりでなく、反対する共同体には強い怒りを持つ。コンセンサスの一致はそれに疑いを持たずに受諾することを求める。2つのグループは彼らの欠けている本質を無視してメンバーであることに敬けんであることを求めている。

・信仰を持つ

タイ社会に影響を与えるのは人々の霊的価値である。この価値は客観的分析では説明できない信仰によるものだ。これらは道理にかなった判断では無く、正しいことをだと言う信念に基づいている。タイ人は長い間高潔な精神社会で生きて来た。タイの日常生活の中には仏教やアメニズムが強い影響を及ぼしている。

結果としてタイ人の考えはこの信仰に基づいて正義の決断を自然と下し、行動してしまう。それはビジネスや政治に置いても同じである。例えばタイの新聞は政治家の守護霊を記事にしたり、政治を星占いで見たりする。そのような記事は西欧では価値が無い。読者の中にはサマック首相が現政権が誕生したとき著名な占い師が3ヶ月以内にクーデターで倒されるだろうと占って新聞にのり、彼を怒らせたのを覚えているだろうか。

霊的価値観は宗教に関係しているばかりではなくあらゆるところに広がっている。それはプミポン国王に関してもあり、タイ人が感じていることは実証されている。これがタイの人々を畏敬させる霊的なものへのコネクションとなる。

タクシン氏にしても同じだ。彼は彼の支持者の中ではカルト信仰のようなものだ。彼の不正について支持者は信じない。彼の支持者と彼が接するとき、彼は不公平な弾圧と彼への指示に感謝を述べる。タクシン氏は理性的理論的だと言われるが支持者がタクシン氏の中に見る正義はそれ以上のものを感じる。

霊的価値はそれに従うものに献身義務を要求する。彼らは正しい判断をしていると言う強い確信を持って行動する。だから仲間と笑ったりして、リラックスしたい人間を引き込むのは理論を用いて説得するより容易だろう。霊的価値はそれゆえパワフルだ。

政府支持者PPPも反政府支持者PADも自分たちが正しいと信じている。ではこのこう着状態をどのようにして壊すのか。あるものは経済的損失や国の損失を理性的に判断を促し話し合えば言いと言う。しかし強い信念を持つ彼らを説得することは難しいのだ。

民主主義とは所詮多数決です。国民が自分の正しい決断をして投票すれば良い国が出来ると言う考えでしょう。しかし民主主義が始まったからと言ってすぐに良い政府が出来るとは考えられません。国民がそれぞれが学び、正しい価値観を共有しあうことが大事です。また民主主義とは限りませんが何よりも国民が法を守ると言う大前提があります。

タイは民主主義以前の問題で空港を占拠したPADは法を全く守っていません。西欧国も言っていますが自分の権利のみ主張し、騒ぐモブクラシーとなってしまっています。

またUDD(反PAD)グループが11月30日に政府支持デモを行いました。1万人集まったそうです。しかし月曜には解散しました。仕事があるからと理由です。これが普通でしょう。PADはどうして仕事もせずに何ヶ月もデモできるのか不思議です。


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