タクシン首相、総選挙で国が2分

今、タクシン支持者とタクシン反対者で国は2分化しています。タクシン支持者はチャトチャックに集まっています。主に地方から来た人また出身者が多いようです。こちらは余り報道されていませんが地方にも大勢います。タクシン反対者は王宮広場に陣取っています。こちらは報道されているのでタイが反対者で覆われている印象を与えていますね。

この2派が直接ぶつかることはまだありませんが国民が2つに分かれていることは事実です。意見の違いで酒の席で殺人事件が起こったり、タクシン支持者のタクシーが反対者の客とトラブルを起こしています。

今のタイの政治危機についてタクシー運転手と討論するのは危ないことだと分かったとある若者が話した。この若者は政治について討論続けていたらガンヲンワン地区のモール.デパートの前で降ろされてしまったと言っている。

彼がタクシン首相引退の支持者だと言うと運転手は腹を立てた。「政治以外の話題にしようとしたけど彼は途中で乗せる気を無くしたと言い、家に着く前に降ろされてしまったんです。」彼は言う。

出版会社の経理で働く事務員の女性はタクシン反対ストをやっている王宮広場の近くで降りようと思ったがタクシー運転手とトラブルになったと言う。「私が王宮広場の近くまで乗せてと何台かのタクシーに頼んだんですけどストに参加するなら行かないと言われました。やっと1台のタクシーがつかまりましたがタクシーに乗ると彼はストの非難をはじめました。それについて討論したら結局タクシーから追い出されました。」と彼女は言う。

タクシー運転手たちはタクシン首相の支持者が多く反タクシン派に反対していると言われている。レンタル会社からタクシーを借りて商売するシナワット氏は3万人以上のバンコク.タクシー運転手はタクシン支持派だと言っている。彼らはタクシン支持の大会に参加し4月2日の総選挙にはタクシー協会の4団体がタクシン首相に投票するだろう。

シナワット氏は中間だが「タクシン首相以外の首相は貧困者対策、30バーツ均一医療プログラム、一村100万バーツ基金そしてタクシー車が低料金借りられるプログラムなどをしたことがないから支持者が多い。」と言っている。

彼のグループは選挙まで王宮広場近くに陣取る反タクシングループPDA(People's Alliance for Democracy)の抗議デモとぶつかることは避けたいと思っているし、仲間が大会を開いているチャトチャック公園にもあえて行かないようにしている。だから彼自身はタクシー運転手と乗客とのトラブルは聞いたことがないと言っている。

「今は毎日乗客の政治話を聞かなければならないのでタクシー運転手に取ってつらい時期なのです。タクシー利用者のほとんどが今の政治の話をしていますからね。私は乗客とのトラブルを避けるため乗客に合わせるようにしています。乗客がタクシン派なら私もタクシン派。反タクシン派なら反タクシン派です。」と彼は言う。

日本のタイ報道を見ると今タクシン反対者で覆われている印象を与えます。最近は世論調査で総選挙に行くタイ人が多いと知るとタクシン支持派が増えたと書いています。しかしもともとタクシン支持派の方が多かった。だから野党が総選挙をボイコットしたのでしょう。

タクシン反対者を見ていると大よそ3つに分かれると思います。

感情的に彼を嫌いな人たち。 彼らはタクシン.ファミリーがシンガポール企業にAIS(最大の携帯電話サービス会社) の親会社であるシン.コーポレーションの株を売って経営権を与えたことに「国を売る」行為だと腹を立ています。そしてそのキャピタルゲインで得た莫大なお金が無税で彼の家族に入ったこと、そのとき情報公開などで違法があって息子が罰金を言い渡されたことなどでタクシン首相が不誠実な人間だと非難してます。政治家は正直で信頼できることが第1条件でしょうからタクシン首相に強い嫌悪感を持っていると思います。チャムロン氏はこのグループでしょう。

タクシン反対者の中心人物ソンティ氏(記者)がいます。彼はタクシン首相の政策、汚職体制を非難しています。タクシン首相が借金をして経済を豊かにするため幾つかの大プロジェクトをしようとしていることに主に反対しています。彼らのグループは1999年のバーツ暴落で始まったタイ経済不況がまた起こることを心配している人たちです。あれは膨大な借金が返せないことで起こり、IMFからお金を借りたことで経済がIMF管理下に置かれ苦しい時代を過ごしました。

そして総選挙しても勝てそうに無い野党3党が選挙をボイコットに出ました。この野党を支持する人たちです。

タイのデモはフランスの雇用法改正反対と違い、まとまっていません。彼らが共通するのは反タクシンだけです。だから地方まで広がって言っていません。多くの県ではタクシン支持者が多いのです。

3月30日野党第1党の民主党がチェンマイで野外党大会を開きましたがタクシン支持者に囲まれ追い出されています。 またフアヒンでもタクシン支持者のデモが行われています。4月始めに反タクシン派がバンコクからフアヒンまで車でデモしましたが途中で追い返されています。反タクシン派のチャムロン氏は衝突を懸念し、このデモ参加を辞めていました。

タクシン首相は有権者の50%の支持を得られなければ辞めると発表しました。前回大勝して380議席以上取りましたがこのときの支持率が有権者の55%だったそうです。

タイは王様の威光が大きい国です。だからこの国を2つに分けた闘争の仲介に王様が出てくることを望んでいる知識人も多いのですが王様は出ていらっしゃいません。推測ですが、タクシン首相が国会解散して総選挙に打って出る前に王様のアドバイザーと会合しています。そのとき国民の50%以上がタクシンのタイ愛国党に投票すれば首相に任命すると言う話がされたのではないか?

国民の50%が支持すれば首相になるのは当然ですし、王様が首相に任命すればこの騒ぎも収まるのではないか?と思います。

今有権者の70%が選挙登録しているそうです。ですから50%以上になる可能性があるのですが地方立候補者が少なくて国会議席の500議席を埋められないのではないかと心配されています。また比例選挙では「どの党も選ばない」と言うマスがあるので反タクシン派の知識人たちはそこに投票すると言っています。


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