総選挙は国民のチカラ党の勝利

今回の総選挙は過半数に達しなかったものの国民のチカラ党の圧勝と言えるでしょう。選挙管理委員会の最終発表を待たずとも彼らが政権を握ると確信させる勝ち方でした。

*日本の新聞に合わせ今回から民衆のチカラ党を国民のチカラ党に名を変えました。

タクシン シナワトラが結局勝ったと言える結果だった。彼の作ったタイ愛国党は解散させられ党員の100人以上が政治参加は禁止されていた。にも関わらず、彼の意思をついだ国民のチカラ党が12月23日の総選挙で勝利を収めた。彼を国外追放したクーデター軍を拒否する国民の偉業かもしれない。

国民のチカラ党は480議席のうち233議席を獲得した。それはまだ彼のチカラが存在している証明でもあった。国民のチカラ党となって、彼の復活が明らかにこの議席数に現れている。

クーデター軍はクーデターの理由を4つ挙げていた。タクシンの汚職政府、軍などの国の独立機関に対する干渉、君主制に対する侮辱的な活動、そしてタクシン政府によって起された社会分裂だった。

しかし、タクシン氏は彼に従うサマック氏を解散させられたタイ愛国党メンバーのリーダーとし、政治的に反対勢力を打ち負かしてしまった。

この選挙は軍部の監視下で行われた選挙だった。公正選挙維持と言う口実で、選挙管理委員会を助けるとして警察20万人と軍隊を各地に配備した。今だに76県中31県には戒厳令が引かれている。そこは国民のチカラ党の勢力範囲である。

選挙期間中に軍による妨害や活動規制などがあったが選挙予想では国民のチカラ党が常にトップだった。しかしながら実際は233議席も取るとは予想されてはいなかった。特にタイ北部と東北部では国民のチカラ党は強かった。北部では59%そして東北部では71%が国民のチカラ党に投票している。

クーデター軍の押す民主党はバンコク県内や南部では強かった。ここはタクシン反対者がクーデターが起こったとき軍隊を暖かく迎えた場所でもある。民主党も前回より票を伸ばしたが165議席、第2党に留まった。

注意すべきなのは、タクシンから離れた多くのタイ愛国党の離党者たちが結果を出してないことだ。例えばプエア.パンヂット党党首スビック氏はコンケン県から出て、地元の国民のチカラ党の立候補者に負けた。

これから国民のチカラ党はタイ愛国党に近い小党と連立政権を作るだろう。そして今、目はタクシン氏に向いている。ホンコンのメディアによればタクシン氏はタイ帰国して、彼に起された汚職の告訴と戦うつもりだという。この告訴はクーデター軍が指名した資産調査委員会が起した。しかし政治については彼はもうやらないと言っている。

しかしながら国民のチカラ党の党首サマック氏はCNNのインタビューで去年解散させられたタイ愛国党と5年間の政治活動を禁止された101人の議員に対する判決を元に戻すと主張している。もちろん議員にはタクシン氏も含まれる。この発言は反タクシン派を混乱させている。

・汚職に対しクーデターは無意味だった

法的規制の強化だけでは国を正しい道へ導くのは困難だった。汚職贈賄の除去、地方の人たちがもっと意見を言える状況の増加、そして国の政権運営など、国を治める方法の基本的総点検が求められている。法を守り、平等と自由を信じる政治風土を作り上げること、それは決して易しいことではない。

今、多くの人は汚職政治は二の次で民主主義から軍部を如何に排除するかに感心を持っている。

チュラローンコーン大学のタン教授は地元新聞で言っていた。「汚職政治はクーデターで解決しない。各政党の議員が自らリーダーに質問し、汚職の捜査をするようする政治風土が我々には無いのが問題なのだ。タクシン政府が告発されたとき国会議員からその行動は起こらず、バンコクの中流階級から起こった。そして彼らはタクシン首相の排除を求めた。」彼は説明する。彼の意見では国民のチカラ党を支持する人たちは経済的理由によるものだ。「タクシン政権下で利益を得たいた者たちが投票したのだ。この15ヶ月彼らは経済的利益を貰っていない。彼らはタクシンを自らが生き残る手段と考えている。」

また彼は言う。「タイ民主党がバンコクでの36議席中27議席を取って圧勝したがこの議席の意味はもっと分析する必要がある。私の感じではバンコク市民が民主党に票を投じたのは軍との政治的衝突を避けたいためだったのではないだろうか。もし国民のチカラ党が勝ったら再びクーデターが起こると懸念したと考えられる。」

現在、国民のチカラ党は民主党以外の党に連携を呼びかけているが連携政府ができるかは不透明な状況だ。

しかしタクシン派政権が出来たとしても、軍が指名した国民議会は上院議員として残る。すでに彼らが作った過去の法律を国民のチカラ党が修正しようとしても難しい。

上院選挙は3月2日に実施されるが150名の上院議員のうち76名が選挙で選ばれるだけで、74名は軍部とその他の国家機関から選ばれる。新法律では上院議員の5分の3の賛成があれば総理大臣を弾劾して、新たな総理が下院から選ぶように出来る。

もっとも重要なことは軍の作った国民議会が新たな国家安全の法律を総選挙2日前に議会を通過させてしまったことだ。この法律で、国家安全評議会は裁判なしに国家安全を脅かした容疑者を6ヶ月間留置できる。これは経済問題以外で新政府が直面する難しい問題のひとつになるかもしれない。

タン教授はタクシンの汚職が彼の排除の発端だと書いてますが、大規模なデモに発展したのは彼が自分の会社シン.コーポレーションをシンガポールの会社に売り渡した後です。株売買では税金掛かりませんから、彼は莫大な利益を得ました。しかし、ある人たちは国民に還元しないのは上に立つ者の資質無しと写ったのだと思います。彼の汚職調査は彼を追い出した後、軍が指名した資産調査委員会が行ったものでタクシン氏は異議を申し立ててます。

またタン教授の言う通りタイ北部、東北部で経済的理由でタクシン派を支持したとしてもそれが悪いでしょうか。60%、70%の国民が自分たちを豊かにしてくれるリーダーとして彼を選んだ。それを常に汚職に結び付けて非難するとすれば無理があります。

年末までに選挙違反の申し立ては約1000件。そのうち60%が証拠不十分で残りを選挙管理委員会が調べています。この調査が終われば正式な議席数が1月3日に発表される予定です。しかし大晦日に小党3党が国民のチカラ党の連立政権に参加表明していますから議席過半数取得は確実でしょう。


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